2026年(令和8年)4月・5月合併号 赤坂 徹
学校法人聖公会盛岡こひつじ学園仁王幼稚園にご入園、ご進級おめでとうございます!
年度初めで幼稚園の健康管理、感染予防、事故防止などの対策について、50年以上小児科医を経験した理事長として、皆様に役立てていただけるようにお話ししたいと存じます。
1.幼稚園での健康管理について
1)健康相談
保護者の皆様からお子さんの健康問題についてご相談がありましたら、園長を通してお問い合わせ下さい。仁王幼稚園のホームページには「理事長だより」として、心身の健康に関して解説しております。反復して取り上げられるテーマもありますが、重要なことであるとご了解下さい。
2)健康診断
入園時と進級時にお子さんの出生時からこれまでの発育・発達の経過、予防接種、疾患特にアレルギー疾患(食物や動物へのアレルギー)、生活習慣などについて、健康調査票に記入していただいております。
定期健康診断は園医の吉田研一医師により毎年1回、今年は6月17日(水)に予定されています。
①身体発育の評価②脊柱、胸郭、四肢等の骨格系の評価③皮膚の状態の評価④呼吸、循環系の評価⑤言語発達、コミュニケーション力の評価⑥眼、耳鼻咽喉、・歯口腔の評価(各科医師、歯科医師に委ねる)について診察します。
3)集団生活でのマナー
朝起きた時に風邪、下痢や嘔吐などで体調不良の場合、症状が軽いと気がつかなかった
り、登園させるかどうか惑うことがあります。病気の始まりや、治っていく経過のなかで、病気をうつしてしまうことが心配される場合にはかかりつけ医(担当医)を受診しましょう。
集団生活が始まる前に予防接種の記録を母子手帳で確認し、受けていないものは接種して病気にかからないようにしましょう。
4)感染症の拡大防止策
感染拡大防止のために出席停止と臨時休業を決定するのは幼稚園の管理者である園長で
すが、園医は助言する立場にあります。感染が疑われる場合はかかりつけ医を受診して、その結果を幼稚園にもお知らせ下さい。
令和5年9月28日付けで盛岡市医師会から「インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症における療養期間(出席停止期間)について」という通知が届いており、参考のため一部を変更して掲載しました。詳細はかかりつけ医にご相談下さい。
5)ワクチンで予防できる病気(Vaccine Preventable Disease:VPD)
新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行があって、感染症への対応の難しさを経験しました。ウイルスは変異して現れてきて、診断や治療が困難になります。細菌感染症もなくなることはなく、時々、集団感染を起こします。これまでコロナ感染やインフルエンザに私達が実施してきた感染対策(マスク、うがい、手洗い、感染源からの隔離等)と可能であればワクチンで予防しましょう。
- ワクチンの意味
ワクチンはその作用、副作用が科学的に検討され、国が接種を認めたものです。集団生活の中で多くの人がワクチンを受けていると、その病気を防ぐことができます。ワクチンが接種できないと病気が増えて死亡につながることがあります。
- ワクチンの種類
ワクチンには予防接種法で定められている「定期接種」とそれ以外の「任意接種」があります。下線のあるものは生ワクチンで、BCG(結核)は1回の接種、MR(麻疹、風疹)、水痘、流行性耳下腺炎は2回、ロタウイルスは2回もしくは3回の接種です。それ以外の不活化ワクチンは3回以上の接種です。次回までの間隔や別のワクチンとの間隔が決められていますので、お問い合わせ下さい。ロタウイルスは生後6週から1回目を始めるように、その効果や副作用に合わせて接種時期が設定されています。正しい知識を持って決められた年齢に決められた回数を受けましょう。
定期接種ワクチン:5種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)、BCG、MR(麻疹、風疹)、日本脳炎、ヒブ(Hib:ヘモフィウルスインフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌、ヒトパピローマウイルス(HPV:子宮頸癌及びHPV関連疾患)水痘(みずぼうそう)、B型肝炎
任意接種ワクチン:ロタウイルス、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、インフルエンザ
2.幼稚園という新しい環境への適応について
新入園されたお子さんはこれまでのんびりとご家庭で過ごしていたのが、決まった時に起きて朝食を食べて登園の準備をするというような枠組みが造られ、環境にも大きな変化があります。朝に起きられるように、十分な睡眠時間が確保されるように早めに休ませましょう。他の家族と一緒に遅くまで起きてはいませんか。睡眠時間が十分ですと、朝にはお腹がすき、朝食後に排便ができます。起床から登園まで時間に余裕があるように、規則正しく生活することで好ましい生活リズムが確立されてきます。幼稚園の生活に慣れるまでちょっと時間がかかることをご理解いただいて、焦らず温かく見守って下さい。
3.子ども達の安全管理について
1)5月に多い事故の防止
日本スポーツ振興センターは幼稚園や保育園での事故が5月になると増えていると報告
しました。新しい環境に慣れ、暖かくなって活発に生活することが原因と考えられています。けがの部位として頭と顔で8割、腕が2割を占め、場所としてすべり台が最も多く、複数の遊具が組み合わされた総合遊具、アスレチックが次いで多いようです。家庭や近所の遊園地でも危険な場所があるかもしれません。外で遊ぶなということではありません。安全に遊べる環境作りと、お子さんが危険を回避できる身体の訓練が必要と思われます。身体を動かさないお子さんに事故が多いことも確かなようです。スポーツ庁は2016年度体力・運動能力調査の結果から、幼児期の外遊びの頻度が高い小学生ほど、その後に運動習慣が身についており、体力テストの点数が高いとされています。
2)私達の周りの危機管理
火災、地震・火山噴火、洪水とそれに伴う停電、交通渋滞への対応、不審者や熊などの害獣対策については、幼稚園でも避難訓練をしています。災害時のご家庭への連絡、ご家族への引き渡しなどの緊密な連絡が必須になります。ご理解、ご協力のほどよろしくお願い致します。