1.災害は忘れた頃に、だから忘れずに備えましょう
暑い夏が続きます。地震、津波、山林火災などの災害、酷暑、竜巻、ゲリラ豪雨、台風などの気象変動、熊、猪、鹿などの動物による事故などが自宅、幼稚園や外出先で起こっています。どうしてこのような大災害が起きるのか理解できず、発生の予測も難しいようです。私達が経験した東日本大震災で学んだことを生かして対応しましょう。家族の災害対策日を大震災の3月11日か、救急の日の9月9日に決めて準備するのはいかがでしょうか。
1)災害への対策
① 地震
大きな揺れを感じたら、丈夫なテーブルや机の下に入り、窓や棚から離れ、頭をヘルメットで覆って自分の身を守る。緊急地震速報が出たらドアを開けて出口を確保し、速やかに安全な場所に移動する。それに伴って電気、水道、都市ガス、自動車の燃料の供給が止まることが予測される。停電になったら、外出時にはブレーカーを切っておく。これは電気が復旧した時に炊事用具から引火して火事が起こらないようにするためである。
② 津波
地震に伴う津波はリアス海岸のみならず、海から川を遡って橋や家屋を押し流していくので、海岸や川岸に近づかない。津波や土砂が届かないような高い場所や建物に移動する。
③ 山林火災
乾燥しているとき、小さな焚火から引火して山火事になり、消火に手間取ることがある。火の大きさ、風向きを見て安全な避難所に向かう。
2)気象変動への対策
① 熱中症
暑い日に車中に置いておかれたり、炎天下で長時間スポーツをすることによってめまい、頭痛、腹痛、嘔吐、だるさを訴える、対応が遅れると意識を失ったり、死に至ることもある。
帽子をかぶり、涼しい服を着せる。睡眠不足や体調不良の時、炎天下での運動を避ける。冷房をつけた状態でもお子さんを車の中に残さない。ベビーカーは地面からの照り返しが強いので、大人が感じるよりも体温が上がりやすい。汗で失われた水分と塩分を補給しなければならない。バランスが取れた補給が必要な場合、脱水を治療するためのイオン飲料(補水液)が利用できる。これらの対応で回復しなければ医療機関、緊急時は救急車で受診する。
②落雷への対策
雷鳴が始まったら広場から家屋がある所に移動し、落雷にあったら、急いで車内や家屋内に避難する。感電した場合、救急車で受診する。
③竜巻
テントや物置などが飛ばされるほどの突風が吹く竜巻は発生場所や時刻を予測することが難しい。竜巻が近づいてきたら、室内に避難し1階の窓がないか小さい部屋に移動する。
④ゲリラ豪雨・台風
夏に発生するゲリラ豪雨は自宅や園舎・園庭に浸水を引き起こし、通園路の冠水や河川や側溝の増水などが見られる。増水した場所に近づかないように、安全な室内に避難する。早めに帰宅するか、園内に待機するかなどの状況判断は気象状況を見ながら行う。
3)熊、猪、鹿などの動物による事故への対応
熊や猪が里山や民家に現れ、畑の作物や小屋や台所に保存していた食材を喰い散らしたり、鶏が殺されたり、犬などのペットが嚙まれることがある。食物残渣をきちんと管理し、動物が出現するような場所を一人で歩かない。動物を発見した場合、近寄らずに警察に通報して対処してもらう。扉を開けるような動物もいるので戸締りを徹底する。
4)非常時に備えるポイント
非常食、非常用備品を確認しよう。
非常食の賞味期限を確認し、それまでに家族で一緒に消費して、次回の災害対策日までに補充する。電池、カセットコンロ等の買い置きを確認し、自動車の燃料は満タンにしておく。
【家族での確認事項】
ⅰ)ハザードマップで避難場所や避難経路を確認
ⅱ)交番や消防署など、頼れる大人がいる施設の場所を確認
ⅲ)ラジオや携帯ライトなどの備蓄品は子どもの手の届く場所に保管
ⅳ)家の中に倒れてくる家具がない「安全な空間」を確保
ⅴ)傷口の応急処置の方法を説明
ⅵ)保護者が帰宅できない場合の子どもの預け先を事前に確保
2.排泄の問題点について
飲んだり食べたりすると、体の栄養になるものを除いて尿や便となって体の外へ出ていかなければならない。排泄も体の重要な働きの一つである。
1)排尿に関する問題
医療機関を受診して尿の検査をしてもらう。排尿時痛や頻尿では膀胱炎のような尿路感染症、尿量が多くなるような糖尿病などを診断する。
●頻尿
尿の回数が1時間に数回のように頻繁にトイレに行くような場合を頻尿と言う。幼稚園での行事や発表会の前に、先生や保護者から「おしっこをしましたか。」と繰り返し聞かれると、緊張場面にトイレに駆け込むことになる。その対応として、急かせず、温かく見守ってあげる。背景に言われたことをきっちり実行しなければならないという厳しすぎるしつけがあるのかもしれない。
逆に尿の回数が減って量が少ないという心配がある。水分摂取量が少なかったり、暑い夏には汗が出て尿量が減り、色が濃厚になる。腎機能が低下すると、体に水分が溜まって、急に体重が増えたり、瞼(まぶた)が腫れたり、下肢に浮腫(むく)みがないことを確認する。
●夜尿症(おねしょ)
夜尿症は生まれてから続いているものと、コントロールできた後に再発することがある。次第に治っていくことが殆どなので、焦らず、叱らないことが重要である。まず尿の検査を受けて治療が必要かどうかを確かめる。
規則正しい生活が基本である。夕食は早めに摂り、食事中の水分摂取は制限しない。夕食後は水分、食事をとらないこと、ぬるめのお風呂に短時間入り、入浴後に水分を摂らず、就眠前に排尿させる。その後は排尿のため起こさない。冬は暖かいパジャマ、必要なら靴下を身に着け、尿が布団まで染みないようにビニールを敷いて対応する。下着を濡らさないようにオムツをはずさないと、本人がそのことで安心して排尿のコントロールができなくなる。夜尿の回数や量が減ってきたらオムツをトレーニングパンツに代えてみよう。弟妹との比較はしないように、自尊心を守ってあげることが肝要である。
効果がない場合には医師に相談する。日中にもおもらしする場合には、遊びに夢中になって失敗することがあるので、もじもじするようなら排尿を促そう。
2)排便に関する質問
排便の習慣は食事と同じように規則正しい生活の基本である。年齢に応じて対応する。
●便秘症
ⅰ)乳児:母乳栄養であれば人工栄養に比べて便は柔らかく、回数も多いのが普通である。肛門を刺激しても排便がないようなら、マルツエキス(麦芽糖)を飲ませてみよう。離乳食が始まると便の色や硬さが変化する。便秘が続くと、お腹が張って嘔吐することもあるので、これらの試みが有効でなければ、小児科医を受診して相談する。
ⅱ)幼児以降:野菜、果物、肉、魚などのバランスの取れた食事にする。柔らかく、消化しやすい食事のみを食べているとほどよい硬さの便にならない。「この子は牛乳しか飲みません。」と親が言っていた子は体重は増えていたが、便秘と貧血が進行したことがあった。特定の食事にアレルギーがある場合には除去することもある。便秘が続くと、お腹が張って、腹痛、嘔吐、食欲不振になり、硬く大きな便を強く排泄することで肛門に傷がついて痛みや出血をみることがある。
食事をすると腸が動き出し排便したくなるので、食後に余裕をもって排便する習慣をつくろう。幼稚園や学校のトイレに慣れていないので、途中で失敗してしまうことがある。暗くて怖いトイレにならないように、これらの試みが有効でなければ、小児科医を受診しよう。
●急性胃腸炎
腹痛、嘔吐、下痢(回数、性状:水様便、泥状便、血便など)、食欲低下、腹部膨満、腹鳴(腹のゴロゴロ音)放屁(おなら)などは食べすぎ、便秘に伴って現れることが多い。急激に進行して脱水により点滴治療が必要なもの、外科的処置が必要なものは医療機関を受診する。同じような症状が集団で発生する場合、ウイルスや細菌による胃腸炎や汚染された食材による食中毒が考えられるが、食事療法に加えて感染拡大を防止のために手洗い、消毒、隔離などが必要となる。