こんにちは!理事長先生
学校法人聖公会盛岡こひつじ学園理事長赤坂徹先生のページです!
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4月に仁王幼稚園で進級されたお子様、新たに入園されたお子様の保護者の皆様、大変おめでとうございます!私は小児科医で理事長を務めております。お子さんの健康診断は園医である吉田小児科の吉田研一先生に担当していただいております。お子さんの心身の健康問題を隔月に「理事長だより」としてホームページに掲載しておりますが、重要なものは反復しておりますことをご了承ください。新型コロナウイルス感染症はワクチンが導入されるまで、3密を防いで消毒や換気などで私達がやれることをやって備えましょう。

1.自律神経の役割

心臓、肺臓、胃腸などは自分の意識によらず自動的に自律神経(交感神経、副交感神経)

のバランスで動いています。物を取りたいという意志で手を動かすような神経の動きとは異なります。春に思春期の子どもに多く認められる自律神経失調症、起立性調節障害は幼児には認められませんが、暖かくなっていく春、新学期の忙しい時期に発症することが共通しているので説明致します。

 起立性調節障害には立ちくらみ、めまい、悪心、頭痛、意識障害、朝起きられないなどの一連の症状が認められます。単なる血圧維持機構の機能不全だけではなく、自律神経系や内分泌系の複雑な機能異常が考えられ、心身医学的視点が必要となります。安静横臥位から立ち上がった時の収縮期血圧の低下、脈圧(収縮期と拡張期の血圧差)の狭小、脈拍の増加が診断に役立ちます。規則正しい生活(早寝・早起き・朝ご飯)が基本ですが、効果が不十分な場合には薬物治療を併用します。かかりつけの小児科医にご相談下さい。

2.新しい環境に慣れること

 新入園や進級したお子さんは新しい環境に慣れるために疲れてくるのがこの時期です。

のんびり家庭で過ごしていたのが、朝起きて朝食を食べて登園の準備をするというような枠組みが造られてきます。朝起きられるように十分な睡眠時間を確保するために、年齢に応じた就寝時刻が決められてきます。規則正しい生活をすることは自律神経のバランスを取り生活リズムを作るために重要です。家庭での生活に幼稚園のスケジュールが加わってこれに慣れるまで時間がかかることをご理解いただいて、焦らず温かく見守っていただきたいと思います。

3.子どもの事故は5月に注意する

 日本スポーツ振興センターは幼稚園や保育園での事故が5月に増えると報告しました。新しい環境に慣れ、暖かくなって活発になったことが原因と考えられているようです。けがの部位として頭と顔で8割、腕が2割を占め、場所としてすべり台が最も多く、複数の遊具が組み合わされた総合遊具、アスレチックがこれに次いで多いようです。家庭や近所の遊園地でも危険な場所があるかもしれません。外で遊ぶなということではありません。安全に遊べる環境作りと、お子さんが危険を回避できる身体の訓練が必要と思われます。運動嫌いのお子さんに事故が多いことも確かなようです。

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