こんにちは!理事長先生
学校法人聖公会盛岡こひつじ学園理事長赤坂徹先生のページです!

1.新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスによる感染症について

新型コロナウイルス感染症(コロナ感染と略)は中国から始まって北半球や南半球に限らず全世界に拡大し、東北地方では宮城県、福島県、青森県、山形県、秋田県、岩手県の順となり、我が国では東京都、世界ではアメリカ合衆国がトップを維持しています。収束の時期は全く予測できず、緊張の糸が切れそうな毎日です。これから冬にかけてインフルエンザが流行し、症状による区別が困難であるため、11月からコロナ感染とインフルエンザを共に診療できる「診療・検査医療機関」を設置すべく岩手県が医師会などと検討しています。

1)症状

潜伏期間はコロナ感染が1〜14日で、インフルエンザの1〜5日よりも長期となります。症状は発熱、咳、(のど)の痛み、息苦しさ、だるさなど共通しており、風邪や気管支炎のような呼吸器感染症と重なる症状が多くて区別は困難です。

2)診断

11月から発熱の患者さんはかかりつけ医や身近な医療機関でコロナ感染にも対応できる設備があって検査が可能かを電話で問い合わせて下さい。どこに相談したら良いかわからない場合や夜間・休日の場合、「受診・相談センター(旧帰国者・接触者相談センター)」に問いあわせ、そこから「診療・検査医療機関(旧帰国者・接触者外来、地域外来・検査センター)」紹介されます。インフルエンザは一般の診療施設でこれまでと同様に迅速診断でインフルエンザABが判定されます。

3)感染経路とその対策

感染経路は飛沫(ひまつ)感染、接触感染で共通しており、その対策として、マスク、うがい、手洗いを励行し、3密(密閉、密集、密接)を防ぐことです。換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、近距離で会話をする密接場面がそろうと、クラスター(感染者集団)発生のリスクが高まります。コロナ感染が蔓延(まんえん)している関東や関西の地域から移動されてきた方々との接触がありそうな駅やショッピングセンターへの外出は可能な限り避けましょう。高齢者と持病(心臓病、糖尿病、肺疾患など)ある人は重症化しやすいのですが、年少児の死亡例も報告されています。欧米での第2波、第3波の様子から、経済活動や人の交流の再開には感染拡大の危険性があることをご理解頂いた上で対応をお願いします。

自宅での生活パターンが続いて生活が不規則になっていませんか。バランスの取れた食事、運動と睡眠が基本です。

コロナ感染だけが病気ではありません。病気に罹ったらかかりつけ医を受診して、必要な乳幼児健診、予防接種を受けましょう。受診時には付き添いの方もマスクをしましょう。受診理由を予めメモにしておくと聞き洩らしがありません。発熱が始まってからの体温の変化、下痢、嘔吐であれば便や吐物の性状や回数も診断・重症度の判定に役立ちます。

4)治療法

インフルエンザの治療には経口薬、吸入薬、注射薬がありますが、登校や登園の基準に従って重症でなければ自宅での隔離・治療となります。コロナ感染には治療薬として確立されたものはありません。従って隔離と対症療法が適応されます。検査で陽性の場合は重症度に応じて感染症指定医療機関が選択されて入院します。それまで自宅で待機することになりますが、その期間は個室に隔離して、トイレなどの共有部分を消毒しましょう。症状が軽微であれば健康管理が可能な宿泊施設、軽症から中等症は指定医療機関、呼吸困難などの重篤であれば人工換気装置とスタッフが常備されている専門医療機関に入院することになります。

5)予防法

インフルエンザにはその年に流行する株に合わせたワクチンが接種されています。接種しても罹患することがありますから注意しましょう。コロナ感染には開発途上のワクチンがありますが、その安全性と有効性が確定され厚生労働省の認可が待たれます。

 

2.全国の小・中学校の不登校が最多であった事実をどのように考えますか。

 2019年度の文部科学省の問題行動・不登校調査では、病気や経済的状況以外の理由で年30日以上登校していない小・中学生が約8万人で過去最多となりました。

1)不登校の要因

学校が不登校の要因を一つだけ選ぶ形で調べたところ、本人の不安や無気力が39.9%、いじめを除く友人関係が15.1%、親子の関わり方が10.2%、いじめは0.3%でした。文科省はコロナ感染が不登校に与える影響について2020年度以降の状況を注目しています。

2)不登校の初期症状

幼稚園で登園渋りが始まると、将来に不登校になるのではないかという心配をされてご質問をいただいたことがありました。毎年の秋には小学校入学前の就学時健診があります。身体的な診察は勿論のことですが、幼稚園や保育園で皆と遊べない、言葉の遅れ、運動ができないなどの発達の遅れが心配されることがあります。家庭での育てにくさ、幼稚園、保育園でのスタッフの印象が参考になります。発達診断(知能検査)が実施されることもあります。これらの情報を集約して、盛岡市教育支援委員会では総合審査が実施され、望ましい就学案が決定されます。保護者の皆さんは通常の学級を選ばれますが、本人に何か問題があると適性に合った教育環境、個別の対応を希望されるようになります。知的な遅れ、社会性の欠如、基本的な生活習慣が身についていないと、小学校に入学してから、学習が習得できないだけではなく、学級生活になじまず、登校を嫌うようになります。

2)いじめによる不登校

いじめの原因は違ったもの、弱いものを排除するような人間関係にあります。学校ではいじめられる子どもをどのように対応するかを重視しますが、むしろ、いじめる子どもといじめを容認するような取り巻きの子どもへの対応を進めて欲しいと思います。



 


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